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上昇ウェッジの見方|だましの見極めや三角保ち合いとの違いも解説

相場の動きを予測するためにはチャートパターンの理解が欠かせません。

チャートパターンにはさまざまありますが、その中でも「上昇ウェッジ」は多くのトレーダーが注目するパターンの一つとして知られています。

しかし、上昇ウェッジを見つけたときに「これはどういいうシグナルなのか?」「三角持ち合いやペナントとどう違うのか?」と疑問を持つことも多いでしょう。

この記事では、上昇ウェッジについて以下の項目で詳しく解説します。

  • 上昇ウェッジの基本
  • 上昇ウェッジと他のチャートパターンの見極め方
  • 上昇ウェッジには2種類ある
  • 上昇ウェッジは上抜けしてだましになることもある
  • 上昇ウェッジのだましを回避する4つのポイント
  • 上昇ウェッジの練習はFunded7で
  • まとめ

【1分要約】上昇ウェッジは売りのチャートパターン

上昇ウェッジとは、価格が徐々に安値と高値を切り上げながら収束していくチャートパターンですが、実は「売り」を示すシグナルとなります。

チャートパターンを知らないトレーダーが上昇ウェッジを見ると一見上昇トレンド継続だと勘違いしますが、トレーダーの思惑に反して下にブレイクするので大幅下落に繋がります。

また上昇ウェッジにはトレンド継続型とトレンド転換型がありますが、トレンド転換型はだましも多いので、まずはトレンド継続型を身に付けることがおすすめです。

上昇ウェッジの基本

ウェッジ(Wedge)とは日本語で「くさび」という意味であり、トレードではくさびのように先端が先細っているチャートパターンを示します。

ウェッジの一つである「上昇ウェッジ」について、トレードにおける基本を解説します。

上昇ウェッジとは何か?

上昇ウェッジとは、価格が徐々に安値と高値を切り上げながら、トレンドライン同士が先端に向けて収束していくチャートパターンです。

そして相場価格が下限のトレンドラインを下にブレイクすると、下落トレンド発生のシグナルとなります。

上昇ウェッジのポイントは、チャートパターンの形成過程では上昇トレンドに見えるものの、最終的には下へブレイクして下落トレンド発生の起点となる点です。

ボラティリティが縮小する中で上昇トレンドだと考えているトレーダーの思惑に反して価格が下落するので、買いポジションの損切りを巻き込んで大きな下落を引き起こします。

上昇ウェッジのエントリーと利確ポイントのセオリー

上昇ウェッジにおける下限のトレンドラインを明確に下抜けしたタイミング、または下抜けした後にそのトレンドラインで反発したタイミングがエントリーポイントです。

損切りはブレイクしたトレンドラインの少し上、またはウェッジ先端の上限(直近高値)付近に設定します。

そしてブレイク後はウェッジが形成されていた値幅分、ブレイク地点から下落する傾向にあるので、その地点が利確ポイントとなります。

上昇ウェッジと他のチャートパターンの見極め方

上昇ウェッジのような三角の形をしたチャートパターンは多数あるので、リアルタイムで変動する相場では見分けがつかないことがあります。

上昇ウェッジと見間違えやすいチャートパターンとの見極め方を解説します。

上昇ウェッジと下降ウェッジの違い

下降ウェッジは、上昇ウェッジとは逆に高値と安値が切り下がりながら収束するチャートパターンです。

どちらも「ウェッジ」のチャートパターンに分類されますが、示す売買シグナルは真逆です。

上昇ウェッジは下落のシグナル、下降ウェッジは上昇のシグナルと覚えておきましょう。

下降ウェッジについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

≫下降ウェッジとは?だましを回避するための5つのコツも紹介!

三角持ち合いやアセンディングトライアングルとの違い

三角持ち合いやディセンディングトライアングルは、ウェッジと同様に高値または安値が収束して三角形を形成するチャートパーンですが、形やシグナルに以下のような違いがあります。

チャートパターン形状売買シグナル
上昇ウェッジ高値・安値が切り上がりながらいびつな形で収束下ブレイクで売り
三角持ち合い高値は切り下げ、安値は切り上げて綺麗な三角を形成ブレイクした方向へ順張り
アセンディングトライアングル安値が切り上がりながら、高値は水平上方ブレイクで買い

相場分析時にどのチャートパターンに該当するか迷った場合は、上記表を参考にしてください。

三角持ち合いについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

≫三角持ち合いのだましを見抜く6つの方法|ブレイクの見極め方や3つの種類について解説!

上昇ウェッジには2種類ある

上昇ウェッジには、下落トレンド中に形成される「トレンド継続型」と、上昇トレンドの終了間際に形成される「トレンド転換型」の2パターンがあります。

トレンド継続型の上昇ウェッジ

トレンド継続型の上昇ウェッジは、下落トレンド途中の価格調整局面、つまり戻りで形成されます。

実際にチャートを見ると、トレンドラインで高安値を切り上げるものの全体の流れは下落基調が維持されている状態であることが分かります。

またトレーダーの心理としては、短期的な利益確定買いが発生して一旦相場が膠着する一方、上がれば売りたい、下落が続くならその流れに乗りたいという売り勢力も控えている状況です。

したがって、セオリー通りに下ブレイクすると下落トレンドが継続するのです。

さらに直前の下落トレンドが強い場合、売り基調が強くブレイク後に大きな下落を期待できる傾向にあります。

トレンド転換型の上昇ウェッジ

トレンド転換型の上昇ウェッジは、上昇トレンドの終盤で形成されてその後の下降トレンド発生のシグナルとなります。

実際にチャートを見ると、長期的な上昇トレンドが続いた後、徐々に買い勢力が弱くなり全体的なトレンドが緩やかになっていることが分かります。

またトレーダーの心理としては、さらなる上昇を狙う新規の買い勢力が参入しているものの、上昇が緩やかになったことでトレンド終了を感じるトレーダーも増えている状況です。

そのような状況で、押し目買いのサポートラインとなる下のトレンドラインを下方へブレイクすると本格的なトレンド転換となるのです。

上昇ウェッジは上抜けしてだましになることもある

上昇ウェッジが形成されたものの、下落トレンド発生とならずに上昇を続ける「だまし」が発生することもあります。

実際、2024年6月にドル円の4時間足チャート上では綺麗な上昇ウェッジが形成されたものの価格は上昇しました。

また上昇ウェッジを下方向にブレイクしたものの下落が続かずに再上昇するパターンや、上昇ウェッジ完成後もレンジが続くパターンのだましも存在します。

したがって、上昇ウェッジを活用して取引する際は、だましを見極める方法も知っておく必要があります。

上昇ウェッジのだましを回避する4つのポイント

上昇ウェッジのだましを回避するために確認するべき、以下の4つの項目を紹介します。

  • 上昇トレンドの途中で形成されていないか
  • 上位足が下落トレンド方向を向いているか
  • 他のテクニカル指標でも買いシグナルが出ているか
  • 出来高やローソク足の強さ
  • ブレイク後の値動き

上昇トレンドの途中で形成されていないか

上昇ウェッジがセオリー通りに機能しやすいのは、下落トレンドの途中や下落トレンドの終盤で形成された場合です。

一方で上昇トレンドの途中で形成される上昇ウェッジは、全体的な上昇基調に呑まれてそのまま上抜けして上昇が継続する可能性が高まるのです。

特にだましにかかりやすいのは「トレンド転換型」であり、上昇トレンド終盤だと判断したものの実はトレンド途中で上昇を続けるといった場面があるのです。

したがってトレンド転換型を活用する際は、過去チャートの水平ラインを確認したり、上位足を確認したりして、トレンド終盤だと言える根拠を固めておくようにしましょう。

上位足が下落トレンド方向を向いているか

上昇ウェッジが形成された時間足のさらに上位足のチャートにおいて、上昇ウェッジの売りシグナルを後押しするような下落トレンドが発生しているか確認しましょう。

上位足でも下落トレンドが発生していると、上昇ウェッジのブレイク後に価格が伸び悩んだり、上にブレイクしたりする可能性は低くなります。

また1分足や5分足などの短期足はノイズが多いので、形成される上昇ウェッジも信頼できないものが多いです。

したがってなるべく上位足で形成されたもののみをトレード根拠として参考にしましょう。

他のテクニカル指標でも売りシグナルが出ているか

上昇ウェッジは単体でも機能しますが、インジケーターや水平ライン、トレンドラインなど他のテクニカル指標と組み合わせることでさらに取引の精度を高められます。

中でもトレンドの方向が測れて、レジサポとして機能もする移動平均線は、仕組みもシンプルで上昇ウェッジとの相性が抜群です。

例えば移動平均線が下を向いており、かつ移動平均線に抑えられる形で上昇ウェッジが形成されると下落する可能性が高まります。

普段お使いのインジケーターがあれば、組み合わせて上昇ウェッジを取引で活かしていきましょう。

出来高やローソク足の強さ

出来高増加=相場参加者の取引が活発である証拠となるため、大きな出来高を伴って上昇ウェッジをブレイクすると、セオリー通りに成立する可能性が高まります。

ただし為替市場では正確な出来高データが取得できません。したがって、代替手段としてブレイク時のローソク足の大きさを確認することが有効です。

過去数本のローソク足よりも明らかに大きな陰線が現れた場合、実需や機関投資家の参加による強い売り圧力が加わっている可能性が高く、信頼度が上がります。

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まとめ

この記事では、上昇ウェッジの基本的な特徴や形成される背景、他のチャートパターンとの違い、そしてだましの見極め方に至るまで詳しく解説しました。

上昇ウェッジは、単なるチャートパターンのひとつではなく、相場心理も凝縮された重要なシグナルです。

一見すると上昇トレンドの継続を示しているように見えますが、最終的に下方向へブレイクするからこそ強い下落につながることが多いチャートパターンなのです。

ただし上昇ウェッジにはだましもあるので、上位足の確認や他のテクニカル指標との組み合わせなど、さまざまな観点からの分析が欠かせません。

今回紹介しただまし回避方法を参考にしながらFunded7を活用して実践経験を積むことで、着実に上昇ウェッジを使いこなせるようになるでしょう。