Funded7は、プロップファーム業界における課題である「ルールの不透明性」と「曖昧な基準による出金拒否」を解決するため、新たなリスク管理フレームワーク「Optimal Risk Enforcement Framework (OREF)」を導入いたします。
本フレームワークの目的は、トレーダーを不当に制限することではありません。明確な定量的基準を公開することで、長期的に利益を上げ続ける「一貫性のあるプロトレーダー」を保護し、公正な取引環境を提供することにあります。
以下に、新しい口座ランクシステム(ティア制)と、判定基準の詳細を解説します。
1. 原則と運営上の裁量権(Principles & Discretion) #
本記事で解説するルールは、Funded7におけるリスク管理の「原則」を定めたものです。
Funded7は原則として、公開されたルールに基づいて厳格にパフォーマンスを判定します。しかし、取引環境の健全性を守るため、リスクチームは以下の2つのシナリオにおいて介入する権利(裁量権)を有します。
第一に、市場の健全性(Market Integrity):
選挙や主要な金融イベントなど、極端なボラティリティが発生する期間中は、安定性を確保するためにリスクパラメータを一時的に調整する場合があります。
このような変更が行われる際は、適用前に必ずトレーダーへ「事前の通知」を行います。
第二に、悪意ある執行(Malicious Execution):
厳密なデータ分析の結果、プラットフォームのインフラやルールブックを悪用しようとする試み、組織的な搾取、またはアビューズ(濫用)と特定された取引パターンや行動は、「悪意ある執行」と分類されます。これらは戦略の名称に関わらず、重大なポリシー違反として厳正に対処されます。
2. 3つのプロ口座ティア(プロ / シルバー / ブロンズ) #
Funded7では、チャレンジ(Phase 2)をクリアしたトレーダーに対し、一律の合格取り消しを行うのではなく、トレードデータに基づいた「最適なティア(ランク)」でプロ口座を提供します。
| 口座タイプ | プロ口座(Pro Account) | シルバープロ口座(Silver Pro Account) | ブロンズプロ口座(Bronze Pro Account) |
|---|---|---|---|
| 対象 | Clean Pass ルール違反なく、安定した成績で合格したトレーダー。 |
Consistency Miss 利益が特定のトレードに偏っており、再現性に懸念がある場合。 |
Risk Warning リスク許容度を超過しているが、利益目標は達成している場合。 |
| レバレッジ | 1:50 | 1:30 | 1:20 |
| リスク上限 | 3.0% | 2.0% | 1.0% |
| SL設定 | 任意(推奨) | 必須 | 必須 |
| 卒業条件 (プロ口座への昇格) |
- | 合計3回の出金成功
(3 Successful Payouts) |
合計3回の出金成功
(3 Successful Payouts) |
※ リスク上限(Flat Risk %)について:
単一ポジション、相関ペアの合計、ポートフォリオ全体、すべてにおいて上記の「フラットレート」が適用されます。
※ 卒業条件について:
「出金成功」とは、リクエストが拒否(Reject)されず、承認されたことを指します。
3. チャレンジ合格時の判定フロー(マニュアルレビュー) #
Phase 2の利益目標を達成後、システムは口座を一時的にロックし、リスクチームによるマニュアルレビュー(手動審査)を実施します。
私たちは単純な「合格/不合格」判定には依存しません。
あなたの取引データを分析し、適切なティアに配置します。
1. 判定:プロ口座(合格)
-
- すべてのルールを遵守し、安定したトレードが行われている場合。
-
- → 正規の条件(レバレッジ1:50 / リスク3.0%)で運用を開始します。
2. 判定:シルバープロ口座(条件付き合格)
-
- 利益目標は達成したが、「一貫性(Rule 1)」に懸念がある場合。
-
- → 不合格とはなりません。 シルバープロ口座(リスク2.0%)で運用を開始し、まぐれ当たりではない実力を証明していただきます。合計3回の出金実績でプロ口座へ昇格となります。
3. 判定:ブロンズプロ口座(条件付き合格)
-
- 利益目標は達成したが、「リスク管理(Rule 2)」に懸念が見られる場合。
-
- → 不合格とはなりません。 ブロンズプロ口座(リスク1.0% / レバレッジ1:20)で運用を開始し、安全な資金管理ができることを証明していただきます。
4. プロ運用中の違反と「Nullify(無効化)」ポリシー #
Funded7では、ルール違反発生時に「正当な利益まで没収(Reset)する」措置を撤廃しました。
プロ運用中(全ティア共通)の違反に対しては、以下の処理が適用されます。
ケースA:一貫性の欠如(Rule 1: Consistency)
- 状況: 利益が出ているが、特定のトレードに利益が偏りすぎている(QCスコア不足など)場合。
- 処置:出金保留 (Deferral)
– 利益没収なし: 獲得した利益は維持されます。
– ストライクなし: ペナルティカウントは付与されません。
– 対応: トレードを継続し、データが正常化(Cure)した段階で再度出金申請が可能となります。
ケースB:リスク超過(Rule 2: Risk / Rule 3: Execution)
- 状況: リスク上限(%)を超えたエントリーや、スキャルピング制限違反があった場合。
- 処置:違反利益のみ無効化 (Nullify) + ステータス変更
– 部分削除: 「ルール違反をしたトレードで得た利益」のみを取り消します。ルールを遵守して得た利益は口座に残ります。
– 1 Strike (ストライク): リスク違反として「1ストライク」が付与されます。
– 対応: 口座は原則として**「制限付きティア(シルバープロ等)」へステータスが変更**され、より安全な環境で取引を再開していただきます。
– ※違反の深刻度や頻度に基づき、運営チームの判断でブロンズプロ口座が適用される場合もあります。
ケースC:悪質な不正行為(Rule 4: Conduct)
- 状況: ギャンブルトレード、アービトラージ、他口座間両建てなどの禁止行為が確認された場合。
- 処置:契約終了 (Termination)
– 即座に口座を閉鎖し、全ての利益を没収します(ストライク無しの一発退場)。
【重要】利益無効化とドローダウン判定ポリシー コンプライアンス審査の結果、ルール違反が特定された場合、以下の手順で処理が行われます。
- 1. 利益の削除: 違反したトレードから得られた利益は、口座の有効証拠金(Equity)から削除(Nullify)されます。
- 2. 損失の維持: 違反したトレードによる損失は、そのまま口座に残ります(削除されません)。
- 3. 判定: 利益削除後の有効証拠金が「ドローダウン許容ライン(初期資金の90%等)」を下回った場合、これは「不適正な取引によるDD違反」とみなされます。
<特例救済措置> 通常、DD違反は即座に口座解約(失格)となります。 しかし、この「利益削除によって事後的にDD違反となった」ケースに限り、「真の実力(True Performance)」を更生するラストチャンスとして、口座解約ではなく「制限付きティア(ブロンズプロ等)」への移行を認める場合があります。
- ※すでに制限付きティア(シルバー/ブロンズ)に在籍している状態でこの基準に抵触した場合は、即時解約となります。
5. 詳細ルールへのガイド #
各ルールの定量的な基準(計算式、制限秒数、禁止手法など)は、以下の詳細記事にて全て公開しています。
- [Rule 1: 一貫性(Consistency)]
– 「平均的な取引サイズ(Median)」の定義と、一貫性を証明するための基準。 - [Rule 2 & 3: リスクと執行(Risk & Execution)]
– ATR計算式、スキャルピングの秒数制限(15秒/30秒)、相関バケットリストの完全公開。 - [Rule 4: 禁止行為(Prohibited Strategies)]
– ナンピン・マーチンゲールの定義および禁止される取引手法の具体例。